新米お嬢様、初帰宅。〜帰宅1回目〜

池○の執○喫茶ス○ロウテイルに初帰宅（執○喫茶自体を
「お屋敷」として、来館することを「帰宅」と言うんだそうです）してまいりました。
平日の夜ということもあり、初帰宅なのに1人で。

お行儀がよいとは決して言えない私。

他のお嬢様（女性のお客様を「お嬢様」もしくは「奥様」と呼びかけるそうな）方にご迷惑かけたらどうしよう。
執事さんたちに不調法を咎められたらどうしよう。

前夜から緊張でよく眠れなかったです。

が、時間は容赦なく流れるもので。
時間15分前にお屋敷前へ着きました。
予約時間や名前を告げるのもしどろもどろで、
ここからもうかなり挙動不審。

ソファで待たせて頂いていた間に、
私のすぐ後にいらしたおふたり連れのお嬢様方は慣れた様子で
ドアマンとさりげない会話を楽しんでおられました。
素晴らしいなぁ、何度も帰宅なさってるのかな？

と、ここで、お出かけされるお嬢様をお見送りされていた
執事さんがドアからちらりと見えました。

誰か俳優さんに似てるな・・・あ、O田M澄に似てるんだ！

おふたり連れのお嬢様方も、同じことを思っていたらしく、
ドアマンに
「ねぇ、○○くん、あの執事さんてO田M澄に似てるよね？」
と話しかけていらっしゃいました。するとドアマン
「左様でございますね、私がお聞きしたところによりますと、
『ファンファン大佐だ！』
とおっしゃったお嬢様がいらっしゃいましたが」

「っっ！！」（←自分がふきだした、声にならない声）

ごめんなさい、懐かしくてついこらえきれずにふきだしてしまいました・・・。
すかさずドアマンから

「そちらのお嬢様は、ご存知のようでいらっしゃいますね？」
と、ツッコミをもらってしまいました。ちょっと嬉しい。

おふたり連れのお嬢様方、私が少し説明したら、
「あぁ、なんかあったかも」
とおっしゃってましたから、あまりピンとこなかったようです。
お若い方だったし・・・。

不躾ながらご帰宅されたことがおありなのか、お聞きしてみると
「私はあんまりですけど、こっちがかなり・・・」
あぁ、やはり！　見習いたいものです。
気さくに話して頂いて、ありがとうございました。

そうこうしてるうちにお出迎えの時間。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
と、とても綺麗な白金の髪のフットマンと、
眼差しが穏やかな執事さんが揃って出迎えてくださいました。
緊張しすぎて、ぎくしゃくぶりはピークに。

荷物をクロークに預けるのも、ジャケットを預けるのもカチコチで
席に着くにも、あやうく右足と右手が一緒に出るところでした。

なんとか席に着き、注文を済ませ、紅茶とお菓子を
美味しく頂いているところで事件勃発。

フォークにケーキがきちんと乗っていなかったのに気付かず、
そのまま口に運ぼうとし・・・ケーキ落下。しかも床に。

ああああああぁ、どうしよう！！Σ(゜д゜;)

そこでベルを使って助けを求めればよいものを、あまりに動揺して
自分で拾ってしまいました。しかも素手で。

拾ってしまってから、そのことに気付いて、頭の中は
さらにパニック・・・・゜・(ノД`;)・゜・

泣きそうになっていたところへ、執事さんが何人かさっと来てくださり

「お召し物は大丈夫でしたか」
「お皿お下げいたします」
「新しいおしぼりです」
と、何の痕跡もなく片付けてくださいました。

頂いた新しいおしぼりで手を拭き、ほっと安心していたところへ執事さんが・・・。

「お嬢様、もしお腹に余裕があれば、苺のケーキの新しいものをお持ちいたします」

自分の不調法のせいなのにそれは申し訳ないので、と一度はお断りしたのですが

「パティシエも言っておりますし、お腹に余裕があれば、ぜひ」
と言って頂いたので、ありがたく頂戴しました。
2個目のケーキは、無事に食べきることが出来ました。
隣にテーブルにいらっしゃったお嬢様方に見苦しいところをお見せしてしまったのは猛省。

お茶を頂いて落ち着いたら、ようやく周りの様子が見えてきました。
他のお嬢様方はご友人と和やかに話されたり、執事さんや
フットマンとの会話を楽しまれていたり・・・
しかも、綺麗な方や可愛いらしい方ばかり。
私ではお嬢様にはなれないんだなぁ、と少し寂しくなってしまいました。
「お嬢様」でなくて、「奥様」と呼んでもらった方がしっくりくるのかな？

そんなこんなで、とうとう時間が来てしまいました。

お見送りの時に、

「周りのお嬢様方が、お若くて綺麗な方ばかりだったので、
自分がなんだか場違いで申し訳なくて」

と執事さんとフットマンにお詫びすると

「なにをおっしゃるんです！」
「そんなことはまったくございません！　ご自宅ですのに、なにをおっしゃいます」

ありがたいお言葉を頂いてしまいました。
おかげで、ほわほわした暖かい気持ちで出かけ（「お屋敷」を出ることを「お出かけ」と言うそうです）られました。

せめて、次に帰宅する時はお行儀をもう少しよくして、
他のお嬢様方、執事さん、フットマンに見苦しいところを
お見せしないように頑張りたいものです。

いやー、緊張した〜・・・(つ∀`)